萩原哲晶。哲晶とかいて≪ひろあき≫と読むそうです。通称:デクさん。なにせこの人、アタシが日本人では服部良一と並んで尊敬するコンポーザーですから、そろそろ書いておこうかなと。
さてこのデクさん、この人の全盛期はほぼハナ肇とクレージーキャッツと重なっています。自らがリーダーをつとめた『デュークオクテット』にはハナ肇と植木等が在籍していたことがあり、クレージーの前身である『キューバンキャッツ』に籍をおいていたこともあります。という歴史からみても彼がいかにクレージーの面々と深いつながりがあったかは明白でしょう。
なにせあの『スーダラ節』の作曲者です。いや『スーダラ節』だけではなく『無責任一代男』や『ハイそれまでヨ』など、中期までは大半のクレージーソングの作曲を手がけています。
しかしこの人の凄さは作曲よりむしろ編曲、つまりアレンジにあるといっても過言ではありません。
というわけで、萩原哲晶が手がけた名曲をいくつかピックアップしていきます。
- 『スーダラ節』
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いわずもがな、だが、やはりこれをはずすわけにはいかない。『○○節』という民謡チックなタイトルとは裏腹の、スウィングとジャズ小唄の中間のようなアレンジがすばらしい。
- 『無責任一代男』
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萩原哲晶は音大出身だけあって、非常にマーチアレンジに長けており、ここではマーチを軍歌的に使うことによって高揚感を演出。スウィング+マーチというクレージーソングの骨子を完成させる。
- 『いろいろ節』
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『ハイそれまでヨ』でムード歌謡が一転してツイストに、という展開を実現したが、この曲では≪演歌調イントロ→詩吟→ジャズ小唄≫という三段構えのつくりになっている。
- 『くたばれ!無責任』
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『クレージー作戦・くたばれ!無責任』挿入歌。これもマーチだが、軍歌的にはならず、映画音楽的に仕上げられている。
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- 『愛してタムレ』
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谷啓のソロ。タムレとバイヨンとハワイアンを混ぜ込んだアレンジに、谷啓がアドリブ風にスキャットと合いの手を飛ばす。谷啓はのちに『ハラホロ・ワールド』というワールドミュージックを題材にしたアルバムをつくっているが、これはたった一曲でワールド感を表現している。
- 『クレイジーのクリスマス
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実際にクレージーが舞台で使っていた音楽コントの中に、青島幸男作詞・萩原作曲の『クレイジーのクリスマス』というオリジナルソングと、非常に貴重なクレージー自身による演奏を挟み込んだ夢のような作品。録音状態が悪いのは残念だが、一発採りの迫力に満ちている。
- 『ソロバン節』
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これはなんと古今亭志ん朝のボーカルという珍品。小品だが聴いていて非常に気持ちがいい。
- 『ちんじゃらボッサ・ノバ!』
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伴淳三郎主演映画の主題歌。タイトルにボサノバとあるが、ボサノバ的要素はまったくなく、これぞクレージーソング!といえる仕上がり。パチンコの≪ジャラジャラ≫というSEが新機軸。
- 『エイトマン』
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かの名曲もこの人の作。この曲でもマーチは≪より軍歌的≫なのだが、音がシャープなためあまり軍歌くささを感じない。
- 『大作戦マーチ』
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『クレージー大作戦』主題歌。これも基本はマーチだが、巧みにスパイ物のサウンドを取り入れている。
- 『ファイトだ!ピュー太』
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同名アニメ主題歌。GS全盛期につくられた曲だけあってGS色満載。GSにはタブーともいえる管楽器を大胆に導入。それが功を奏し、疾走感満点の異色の名曲に仕上がった。とにかく間奏がカッコいい!
- 『いい湯だな』
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おなじみドリフターズのヒット曲だが、これはアレンジのみ。だがデュークエイセスの元曲と比べるといかに大幅なアレンジかがわかる。エレキをうまく使いビート感を演出。
- 『こりゃ又結構』
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実はクレージーソングには非常に珍しいデキシーランド調。それもフルバンドというよりコンボっぽい音なのがいい。
- 『クレージーの大爆発』のテーマ
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必聴!
- 『ドリフのほろ酔い小唄』
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和風テイストでありながらキチンと疾走感もつくりだしている。
- 『あんた』
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アレンジのみ。ファンの間では評価の低い曲だが、『明日があるさ』のようなだんだん音数が増えるアレンジがいい。
とにかくこの人のアレンジはどれも異様なまでに開放感に満ちており、もちろんそれはクレージーキャッツというグループの特性に合わせた部分も大きかったのは間違いないでしょう。しかしあまりクレージーとは関係ないアニメソングまで、いやむしろアニメソングのほうが開放感が大きいのは、あきらかにこの人の資質がそこにあったという証しなのではないでしょうか。
(2004.06.04 更新)
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